prana
「古代インドでは、人間は地、水、火、風、空の5大要素でできていると考えられていた。prana(プラーナ)とはサンスクリット語で“風”を意味している。風には自然のエネルギーが含まれていて、それを体の中に深い呼吸とともに取り込むんだ」
この話を、僕は20年以上も前に小笠原諸島の父島で会った、小柄で痩せて目つきのギョロッとした白髪のおじさんから聞いた。彼は56歳のときに何の器具も使わず105メートルの深海(deep blue)に潜り「伝説のダイバー」と呼ばれていた。
撮影をしていると時折、目には見えないが「エネルギー」のようなものを感じることがある。自然だけではなく、生活の中や、あらゆるもの、人間そのものにもある気がしている。それを言葉で表現しようとしたときに、彼が言っていた「prana」という言葉を思い出した。
ー渡部さとる
- 判型
- 253 × 259 × 15 mm
- 頁数
- 84頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2014