shashasha 写々者

本書は松江泰治が地表を記録し始めた1989年から、木村伊兵衛賞受賞を経て2002年に至る代表作をもれなく含む集大成である。ここに「地名」として収められた多様な表層は、敢えて均質な光のもとに撮影され、砂漠の砂粒から大森林、未踏の地から街までが、その素材の全てをさらけだしている。これらは編年に従って構成され、見開きに左右1点ずつ、全頁断ち切りのワイドな画面によって展開する。また、オリジナルプリントの質感を可能な限り再現すべくCTP ScreeningおよびFairdot 480という現在最高レヴェルの高精細な印刷技術を投入。よりパーフェクトを追求する松江のスタイルが細部にわたって反映されている。