shashasha 写々者

ベルリンを拠点（オーストラリア生まれ）とする写真家／アートティストのポール・ナイトの作品を定義しているのは、一見矛盾する親密さと距離。ナイトと彼のパートナーであるピーターの日常生活を記録した「Chamber Music」と呼ばれる現在進行形中のプロジェクトの一部を収録した本書は、親密さをコンセプチュアルに表している。35ミリのカメラを暖炉の飾り棚や丸太、コーヒーテーブル、ビーチの岩などにカメラを置き、定点観測のように自分たちの生活を撮影。そこで写し出されるのは、朝食、セックス、海辺への日帰り旅行、パブでの夜、家での寛いだ瞬間。お互いにやり取りしたメッセージを編集したテキストと組み合わさることで、ナイトの作品世界が重層的に伝わってくる一冊。