Thomas Ruff Edition

展覧会開催記念 エディション特別販売

 東京国立近代美術館と金沢21世紀美術館での「トーマス・ルフ展」の開催を記念して、ルフ氏が特別に、出品作品より、2作品のエディション(各50エディション)を制作いたしました。当ウェブショップのみでの販売となります。

Thomas Ruff/VG Bild-Kunst, Bonn 2016
Thomas Ruff/VG Bild-Kunst, Bonn 2016

phg.12(Photogramシリーズより)

このシリーズのタイトルとなっている「フォトグラム」とは、1920年代後半にモホイ=ナジ・ラースローらによって開発された写真技法のひとつで、カメラを用いず感光紙上に物体を置いて直接露光し、その影や透過する光をかたちとして定着させる技法です。ルフは2012年よりこの技法を用いた作品制作に取り組みはじめました。従来のフォトグラムではやり直しがきかず、モノクロームの表現に限定されるのに対して、かねてより作品制作にデジタル技術によるマニピュレーションを導入していたルフは、コンピューター上のヴァーチャルな「暗室」で物体の配置と彩色を自在に操作し像をつくりあげています。

Thomas Ruff/VG Bild-Kunst, Bonn 2016
Thomas Ruff/VG Bild-Kunst, Bonn 2016

18h 42m/-75º(Sterneシリーズより)

「Sterne」はその後に続く宇宙空間をめぐるテーマの最初の作品です。身近な環境の室内にレンズを向けることから始まった写真を介した外界の探求は、子供のころからの興味の対象であった宇宙空間へと向かいました。これらの巨大な星空の写真にはヨーロッパ南天天文台が南米に設置した観測施設の高性能天体望遠鏡で撮影したネガが使用されています。自分では撮影せず、すでに存在しているイメージを素材にしているという点でも先駆となった作品です。