渡辺克巳は1941年、岩手県盛岡市出身の写真家。新宿を舞台に活動した写真家の一人。

盛岡第一高等学校の定時制に通うかたわら、毎日新聞社盛岡支局で補助員の仕事に就き、写真の面白さを知る。高校卒業後、国鉄に入社するが、写真への思いが断ちがたく1961年に上京。翌年から5年間、東條会館に勤務し、スタジオ撮影を学ぶ。1965年から、新宿で「1ポーズ3枚1組200円」でポートレート撮影を請け負う「流しの写真屋」になる。1973年、「カメラ毎日」6月号の新人写真家紹介ページ「アルバム」に「新宿・歌舞伎町」を発表し話題を呼ぶ。「新宿・歌舞伎町」はこの年の「アルバム」の最優秀作品に与えられる「カメラ毎日」アルバム賞を受賞。同年、写真集『新宿群盗伝』(薔薇画報社)刊行。その後も新宿で写真を撮る一方、焼き芋屋、写真館経営などを経て「フォーカス」「週刊文春」などで週刊誌カメラマンとして活動。1998年、写真集『新宿』により日本写真協会年度賞受賞。2006年1月29日肺炎により死去。

出版物

1973年「新宿群盗伝」薔薇画報社
1982年「新宿群盗伝」晩声社
1982年「ディスコロジー」晩声社
1997年「新宿 1965-97」新潮社
2001年「Hot Dog 新宿1999-2000」ワイズ出版
2006年「Gangs of Kabukicho」PPP Editions
2011年「新宿、インド、新宿」ポッド出版
2013年「新宿群盗伝」Akio Nagasawa Publishing

個展

1974年「初覗夜大伏魔殿」荻窪シミズ画廊
1980年「SHINJUKU'80」新宿マーガレット
1980年「真夜中のストリートエンジェル」銀座ニコンサロン
1985年「渡辺克巳の新宿20年」銀座ニコンサロン
1993年「ごちゃまぜ天国」コニカフォトギャラリー、東京・大阪・名古屋
2006年「KATSUMI WATANABE」アンドリュー・ロス・ギャラリー、N.Y.
2008年「流しの写真屋 渡辺克巳 1965-2005」ワタリウム美術館
2011年「渡辺克巳 写真展 1982 印度」汐花 SEKKA・BORDERLESS SPAC

渡辺克巳の書籍