1985年生まれ、 長崎県の離島出身。
北海道大学農学部森林科学科卒業。

自身のルーツと暮らしてきた土地、旅の経験を通して「移民」と文化の変遷、土地と記憶、信仰などに関心を持つ。故郷である長崎の海とキリシタン・信仰文化、在日ベトナム難民、日本のイスラム社会、北海道などをテーマに作品を制作。2018年、千葉県で暮らすイスラム教徒のバングラデシュ移民家族の5年間を写した「ジャシム一家」で第20回三木淳賞を受賞。2020年秋、長崎県の離島沿岸部を約4年に渡って旅した作品集『見果てぬ海』(赤々舎)を上梓した。  2010年に北海道大学を卒業後、東京で雑誌編集者・業界紙記者として働き、2011年の東日本大震災を機に写真作品を撮り始めた。2014年に独立。ルポルタージュやドキュメンタリー映像制作などの分野でも幅広く活動している。

1980年代、父が長崎県西彼杵半島の山奥にあった日本赤十字社「ベトナム難民大瀬戸寮」の管理人をしていたため、ボートで日本に流れ着いた100人ほどのベトナム難民と交流して幼少期を過ごした。その後、6歳で小さな島に移住して育つ。高校は島を出て長崎市に進学。大学時代は北海道で過ごした。在学中の2006年には英国から九州まで、陸路と船でユーラシア大陸を1年かけて横断。その後も北海道各地や沖縄、アジア諸国を旅し、2014年には移民国家であるブラジルと南米に1年間滞在するなど各地を巡ってきた。そうした移動の経験をを通し、人の移住が生活と文化、コミュニティに与える影響や、「生まれ育った場所から離れて暮らすこと」そのものに関心を持ち作品を構想・発表している。

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