スターリング・ルビーは1972年生まれ。光沢のあるポリウレタンやブロンズ、鋼鉄を用いた立体作品から、ドローイングやコラージュ、ふんだんに釉掛けした陶器、油彩画、写真、映像、さらにはキルト、タペストリー、衣服、ソフトスカルプチャーといった布作品まで、多様な素材や技法を駆使する。ルビーの作品では常にさまざまな要素が緊張関係を保ち、危うい均衡を成り立たせており、社会の中の暴力や圧力、美術史に関わる問題のほか、自身の過去も扱われる。全ての作品において、流動と静止、ミニマリズムと表現主義、純粋さと汚れの間で揺れ動く作家像を見ることができる。
ルビーはこれまでロサンゼルス現代美術館(2008年)、FRAC シャンパーニュ=アルデンヌ(ランス、2012年/同年ジュネーヴ現代美術センター、2013年ローマ現代美術館に巡回)のほか、ベルヴェデーレ美術館 冬の宮殿(ウィーン、2016年)等で個展を開催。作品はニューヨーク近代美術館、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、シカゴ現代美術館、ロサンゼルス現代美術館、アーマンド・ハマー美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ近代美術館、テート・モダン(ロンドン)、パリ市近代美術館、ポンピドゥー・センター(パリ)、ストックホルム近代美術館を含む多くのコレクションに収蔵されている。2018年にはデモイン・アート・センター(アイオワ州デモイン)で陶器作品の個展、2019年にナッシャー彫刻センター(ダラス)にて個展を開催。

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