DUAL 1

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DUAL 1

山脇敏次

出版社:Studio a la page

新品、サイン入り

写真を撮る行為は、カメラのレンズを媒介として、世界を構成しているファクターを切り取る作業である。それらのファクターを本来備わっていた個々の属性から解き放ち、純粋なSilent Motifに還元するのが私の方法論である。こうして準備されたプリントは、次第にいくつもの山積み状態となり、出番を待つ事となる。
DUALシリーズは、すべて2枚の写真を並列する構成となっていて、2枚の関係性は、多元的にあらゆる可能性を模索している。まったく別の写真でありながら隣り合う事で化学反応を起こし、別の意味やニュアンスが生じ、思い掛けない効果を上げる。それは、潜在的なものを引き出し、新たなイマジネーションを刺激する方向へと導く。こうした展開は、二つの楽器が奏でるニ重奏(Duo)の音楽の様に曲想の変化、強弱、陰影を孕んで連続する。Categoryの境界を作らず、むしろ更新、拡張する事に依り、もたらされる意識の撹拌、イメージの洪水の直中に居るかのような仮想空間―Illusionを想定している。二つのMotifから喚起される第3の感覚、示唆する事の解釈の提案として、それは、Inner Visionを目指す。時に具体的に、時に抽象的に、視覚を通して受け手のパーソナリティー、経験、記憶の一端にリンクして、いくつもの考えや解釈、イマジネーションへの扉を開く事を意図している。プルーストが『失われた時を求めて』の中で仕掛けた手法―Reminiscence (無意識的想起)は、一つの時間的断片と、もう一つの時間的断片が不意に接合する時に訪れる至福として描かれているが、この無意識的想起を誘発する事はDUALの目的でもある。断片の出会いとは、ミクロとマクロの類似性、カラーとモノクロの対照性、有機的と無機的なものの対比等で、日常と非日常、現実と非現実を行きつ戻りつする、始まりも終わりもない無意識の旅をしているかのような編集を心がけた。Plan A~Fの6パートに分かれてはいるが、2枚組にしたタイミングが6回あったという以外、特別の意味は含まれていない。インスピレーションに依り、オートマティスム的、即興的に組み合わせ、その後の変更は一切ない。本としての存在感、オリジナリティーには、強いこだわりが有り、特に表紙は同じものが二つとないようペインティングで、内容を予感させないMistyな仕上げにした。画像検索では得られない、ページをめくる毎にざらっとした触感を感じるよう選んだ中面の和紙。独特のテイストの色味を再現するため、印刷機はすでに廃番となった、ひと時代前のプリンターを探し、地方で譲り受けたものを使用している。こうしたこだわりは、本の中の時間軸を消失させるためである。古いようでも新しいようでもあり、特定の時間軸に収まることなく、より普遍性を獲得する狙いがある。写真を実体に近づけて収斂させずに、その存在の在るべき場所を変え、DUALという未体験のフレームの中に投げ返す。解釈の多様性と導き出される複数の結論。思考、思索を促すElementとしての写真を志向する。写真に依る、より豊かなイメージング、表現の可能性のひとつとしてプレゼンテーションするものである。

山脇敏次による出版物

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山脇敏次

$117.50