Gift

「‘Gift’はドイツ語で「毒」を意味する。元来は英語と同じ「贈り物」という意味で使われていたが、「毒は与えられるもの」として認識されている理由で、いかにもドイツ語らしい解釈のもとでそうなったらしい。今の私にはとても腑に落ちる言葉だ。

 オブジェを作ったら撮影をする。撮影はとても身体的な行為だ。ずっしり重いカメラを持つたび、自分の身体を痛感し、限りを知る。それと同時に、この身体があるからこそ、今の人生があるのだなと思う。振り返るとぞっとするような綱渡りの人生に、ラッキーだったなとホッと胸を撫で下ろし、今までの全てに感謝する。

しかし不思議なことに、写真ができてしまうと、撮影の苦労は一瞬で過去のものとなり、永遠の時間にすり替わる。その印象は、変わらない、変えられない故郷にも似ている。そこには苦痛も幸運もなく、込めた想いや立場すらもちっぽけだ。そこに写る自分は何者でもない誰かで、撮影によってまるで解毒されたかのようなすっきりとした顔をしている。

制作においても、人生においても、そんな循環が私の身体の中にある。どんな毒になり消え去ってしまっても、幸せや願いを想い続けずにはいられない。この帰路を辿るのは何度目だろうか。いつまで続けられるのか。世界は広く、私たちはなんだってできるけれど、世界には地図があって、私たちはいつか死ぬ。果てしなさと限りに揺られながら、今日も変わらない景色に生きていく。」

― 片山真里(本書あとがきより)

『GIFT』は片山が2005年にデビューしてから10年以上制作しつづけてきたオブジェやセルフポートレートから最新作まで収録し、彼女のアーティストとしての成長をクロニクルに見せる一冊で片山の初の作品集となります。テキストはヨーロッパ写真美術館館長サイモン・ベーカーが執筆。ブックデザインは、パリ屈指のギャラリー・タダエスロパックで開催されたヨーゼフ・ボイスやロバート・ラウシェンバーグの展示カタログやルイ・ヴィトン財団美術館で行われたエルズワース・ケリーの展示カタログなどを手がける、注目のグラフィック・デザイナー/ブックデザイナー、サイモン・ダラが担当。

― 出版社説明文より

判型
302 × 215 mm
頁数
136頁
製本
ハードカバー
発行年
2019
言語
英語、日本語
エディション
2500
ISBN
978-4-908600-04-3

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