SCENE

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Alex MAJOLI

出版社:MACK

国際的写真家集団「マグナム・フォト」正会員であり、会長を務めた経歴も持つイタリア人フォトグラファー、アレックス・マヨーリ(Alex Majoli)の作品集。作者は、8年間に渡っていくつもの大陸に足を運び、事件がおきている様子と特段事件というほどでもない出来事双方の瞬間を写真に収めてきた。政治的なデモンストレーション、人道的危機、日常的な生活に訪れる静かな瞬間。これら全てのイメージを1つにつなげているのは、劇場の感覚 ― 誰しもが歴史や状況によって強いられた役柄を演じている役者であるという感覚である。本作において、出来上がった写真は自身のパフォーマンスの結果であり、作者とアシスタント達は1つのシーンに姿を現すと、時間をかけてカメラとライトをセットアップする。 その様子を後に写真に撮られることになる人々がじっと見つめる。彼らのこの活動はそれ自身が1種のスペクタクルである。そして撮影を開始するものの、カメラの前の人々に指示を出すことはない。1回の撮影は20分で終わることもあれば1時間程かかることもある。人々は写真に撮られること見越して、行動を調整するかもしれない。自意識が働いて、立ち居振る舞いに気を遣うかもしれない。もしかしたら、そんなこともないのかもしれない。ドラマの表現と、表現することのドラマが1つになる。瞬間的なカメラのフラッシュは日光よりもずっと強烈である。しかしこれほど大量の光が集まると、イメージの中の世界は突然夜あるいは月の光に沈み込んだかのように見える。世界は光りに照らされたステージのように見える。何もかもが1日の終わりに起きているように見える。世界が眠っているはずのちょうどその時に、世界はそれ自身を誇張したパフォーマンスを見せてくれる。本作は、パリのドキュメント写真専門ギャラリー「LE BAL」での展覧会開催に伴い、MACKとLE BAL による共同出版という形で刊行。キュレーター、ライター、アーティストのデヴィッド・カンパニー(David Campany)と作家のコリーヌ・ロンドー(Corinne Rondeau)がエッセイを寄稿。

「 私達は人や場所を本当に見ることはできません。私達は彼らが反射する光を見ているのです。そして光のクオリティによって、私達の人や場所に対する理解が変わっていくのです。」― デヴィッド・カンパニー

― ディストリビューター説明文より