日本人の両親のもとにサンパウロで生まれ育つ。大学では建築を専攻する一方で、幼い頃から美術に親しんでいた大岩は、アーティストとしての活動も開始する。20代半ばの1991年には東京に活動拠点を移し、2002年にニューヨークに拠点を移すまでの11年間は日本で活動する。自己のアイデンティティと土地、都市や環境との関係性を鑑み、独特の視点から描いている。
ロンドンでの約1年間の滞在を含め11年間の活動の後、2002年以降現在にいたるまでニューヨークを活動の拠点としている。二度の大きな旅立ちの決心はいずれも、自身の作家としての活動を広げることにあったと言うように、大岩は自身の“移動”について、常に自発的、自覚的な作家であり続けている。これまでの約20年にわたる活動をサンパウロ時代から振り返れば、大岩の制作は、テキストや絵画、オブジェのほかに、架空の物語にもとづくインスタレーション、キットを模したコンセプチュアルな作品、パブリックアート、本の制作など、多岐にわたる幅の広いものである。

個展

1997 -「Via Crucis I」現代美術製作所(東京)
2000 -「エデンの園」ライデン現代美術センター(オランダ)
2000 -「マスターピース(古代美術館からの贈りもの)」フジテレビ・ギャラリー(東京)
2002 -「ノアの箱舟」フレデリック・ジロッ・ギャラリー(パリ)
2003 -「モンテ・パスコアル」トーマス・コーン・ギャラリー(サンパウロ)
2006 -「見えない反射」 池田20世紀美術館(静岡)
2007 -「ファイアーショップ」P.P.O.W (ニューヨーク)
2008 -「夢みる世界」東京都現代美術館(東京)/福島県立美術館(福島)
2009 -「夢みる世界」高松市美術館(香川)
2009 -「アジアの台所」東京画廊+BTAP(北京)
2010 -「抽象的な世界に囲まれている、具象的な自分」ギャラリーキャプション(岐阜)
2011 -「大岩オスカール展」国立美術館(リオデジャネイロ)
2012 -「Traveling Light」琴山(Keumsan)ギャラリー(ソウル)/渋谷ヒカリエ CUBE(東京)/アート・フロント・ギャラリー(東京)
2013年「Stormy Weather」ナラ・ロースラー・ギャラリー(サンパウロ)
2014年「大岩オスカール展」4タイムズ・スクエア(ニューヨーク)
2015年「Silent Ocean」琴山(Keumsan)ギャラリー((ソウル)
2016年「世界は光に満ちている」アート・フロント・ギャラリー(東京)
2018年「光の満ちる銀座」東京画廊(東京)
2018年 「Oscar Oiwa in Paradise – Drawing the Ephemeral」ジャパン・ハウス(サンパウロ)
2018年 「The Light from the Forest(森からの光)」クムサンギャラリー(ソウル)
2019年 「Black and Light」キャデラックハウス(ニューヨーク)
2019年 「After Midnight」ミズマ・キップス&ワダアート(ニューヨーク)
2019年 「Oscar Oiwa」ハンガーアートセンター/ギャラリー(ブリュッセル)
2019年 「光をめざす旅」金沢21世紀美術館(石川)
2019年 「Oscar Oiwa-トランスフィア#6」パリ日本文化会館(パリ)
2020年 「夢みる世界」USC パシフィック・アジア美術館(パサデナ、カリフォルニア)

グループ展

1991 -「第21回サンパウロ国際ビエンナーレ」(サンパウロ)
1993 -「自然と都市のはざまで - ブラジルアートの今日展」フジタ・ヴァンテ・ミュージアム(東京)
1995 -「VOCA'95」上野の森美術館(東京)
2000 -「空き地」豊田市美術館(愛知)
2000 -「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」松代町(新潟)
2000 -「ギフト・オブ・ホープ」東京都現代美術館(東京)
2001 -「かたちを求めて」釜山市美術館(韓国)
2002 -「大分現代美術展2002 アート循環系サイト」大分市美術館(大分)
2002 -「今、ここにある風景=コレクション+アーティスト+あなた」静岡県立美術館(静岡)
2003 -「旅」東京国立近代美術館(東京)
2006 -「見えない反射」池田20世紀美術館(静岡)
2007 -「現代絵画の展望」旧新橋停車場 鉄道歴史展示室/JR上野駅 Breakステーションギャラリー(東京)
2009 -「にいがた水と土の芸術祭」新潟市美術館(新潟)
2010 -「瀬戸内国際芸術祭」、男木島(香川)
2010 -「ブラジル日系人画家の系譜」、兵庫県立近代美術館(兵庫)
2011 -「昭和40年会 We are Boys!」、デュッセルフドルフ美術館(デュッセルフドルフ)/アート・アーセナル (キエフ)
2011 -「グローバル・ニュー・アート」、損保ジャパン東郷青児美術館(東京)
2013 -「瀬戸内国際芸術祭」、男木島、伊吹島(香川)
2014 -「政治都市」サラ・デ・アルテ・サンタンデル(サンパウロ)
2014 -「陽光の大地—ブラジルの日系人画家たちと大岩オスカール」群馬県立館林美術館(群馬)
2015 - 「コレクション・ビカミング」東京都現代美術館(東京)
2015 -「六甲ミーツ・アート」六甲山(兵庫)
2015 -「俯瞰の世界図」広島市現代美術館(広島)
2016 -「瀬戸内国際芸術祭」男木島・小豆島(香川)
2016 - コレクション展「ダイアリー」金沢21世紀美術館(石川)
2017 -「鉄道絵画発 ピカソ行 コレクションのドア、ひらきます」東京ステーションギャラリー(東京)
2017 -「芸術作品に見る首都高展」O美術館(東京)
2017 -「Transpacific Borderlands」全米日系人博物館(ロサンゼルス)
2017 -「北アルプス国際芸術祭」大町温泉郷(長野)
2017 -「TARO賞20年/20人の鬼子たち」岡本太郎記念館(東京)
2017 -「コレクション・ハイライト+特集 光ノ形/光ノ景」広島市現代美術館(広島)
2017 -「Global New Art タグチ・アートコレクションのエッセンス」ウッドワン美術館(広島)
2018 -「21世紀の美術 タグチ・アートコレクション展」平塚市美術館(神奈川)
2018 -「EXODUS: Émigré Artists and the New York Vanguard」ホワイトボックス(ニューヨーク)
2018 -「高松市美術館コレクション+木村忠太とこぼれる光のなかで」高松市美術館(香川)
2018 -「韓国、日本、中国の現代美術」三炭アートマイン、江原道(韓国)
2018 -「Back to 1918: 10年ひとむかしと人は言う」兵庫県立美術館(兵庫)
2018 -「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」渋谷区立松濤美術館(東京)
2019 -「韓国日本インターチェンジ展」LOOP(ソウル)
2019 -「タグチ・アートコレクション 球体のパレット」北海道立帯広美術館/道立釧路美術館/道立函館美術館/札幌芸術の森美術館(北海道)
2019年 「瀬戸内国際芸術祭」沙弥島/男木島(香川)
2019年 「百年の編み手たち」東京都現代美術館(東京)
2019年 「上海都市空間芸術季(SUSAS)」(上海) 
2020年 「アーリー90‘s トーキョーアートスクアッド」アーツ千代田3331(東京)

受賞

1995 -「VOCA展'95」 奨励賞 上野の森美術館(東京)
1995 - アーティストレジデンス賞、デルフィナ・スタジオ・トラスト(ロンドン)
1996 -「第4回横浜彫刻ビエンナーレ」大賞、栄区民賞、横浜美術館(神奈川)
1997 - ポロック・クラズナー財団 スカラシップ(ニューヨーク)
2001 - アジアン・カルチュラル・カウンシル フェローシップ(ニューヨーク/東京)
2001 - ジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団 フェローシップ(ニューヨーク)

収蔵

豊田市美術館 (愛知)、東京国立近代美術館 (東京)、広島市現代美術館 (広島)東京都現代美術館 (東京)、宇都宮美術館(栃木)、東京ステーションギャラリー (東京)、池田20世紀美術館 (静岡)、森美術館 (東京)、フォーエバー現代美術館 (秋田)、兵庫県立美術館 (兵庫)、高松市美術館 (香川)、福島県立美術館(福島)、新潟市美術館 (新潟)、横浜美術館(神奈川)、群馬県立館林美術館(群馬)、金沢21世紀美術館(石川)、アリゾナ州立大学美術館 (アリゾナ)、フェニックス美術館 (アリゾナ)、モナコ大公アルベール2世財団(モナコ)、デルフィナ財団(ロンドン)、モントルー・ジャズ・アーティスツ財団(モントルー)、サンパウロ大学現代美術館(サンパウロ)、慶南道立美術館(慶南道)

大岩オスカールの書籍