shashasha 写々者

ノルウェーを代表する写真家の一人であるTom Sandbergは、数十年にわたり、アスファルトや海の暗い抽象画、自動車の硬いエッジ、不気味に曲がったトンネル、影を落とす匿名の人物など、日常の形や姿に目を向け、写真の見ることの本質を追求しながら、世界を厳格なビジョンに従って表現してきました。彼の写真は繊細でありながら変幻自在であり、謎を放つ静寂の研究でもあります。暗室での完璧主義者であったSandbergは、黒と白の豊かなスペクトルに鋭敏であり、彼の手作りのプリントは、時にはアルミニウムやキャンバスにプリントされ、力強い物理的な存在感を示しています。Tom Sandbergは、ノルウェーをはじめ北欧やヨーロッパで高く評価されていますが、米国をはじめとする世界ではその作品はあまり知られていません。本書は、オスロにあるTom Sandberg財団の協力を得て制作されたもので、この優れたアーティストを称える待望の書籍です。