1903年大阪生まれ(1942年没)。家業の洋紙店の経営に携わりながら、浪華写真倶楽部に1922年に入会。1930年、大阪で上田備山らと共に丹平写真倶楽部を結成。両倶楽部での活動を通じ、旺盛に作品制作を行い、戦前期の日本写真史を代表する写真家となる。日本の写真が、世界的な傾向と同時代性を持って表現されるようになった最初期において、様々な新しい芸術理論を積極的に受け入れ、それらをいかにして当時の日本で展開していくかを極めて深い次元で考え作品を制作。制作に取り組んだ時間こそ長くはないが、森山大道など現代の重要な写真家にも大きな影響を与えている。主な個展に「安井仲治展」兵庫県立近代美術館他巡回(1987年)、「生誕百年 安井仲治-写真のすべて」渋谷区松涛美術館他巡回(2004-2005年)など。主な論考・作品集として、「一般風景撮影の実際」『写真実技大講座第5巻 風景撮影の実際1』(1938年)、『安井仲治写真作品集』(1942年)など。

安井仲治の書籍