DRAGONFLY
聞いたわけではないが、尾仲浩二は、自分の気に入った風景を見つける嗅覚が利くのだろう。
写真集として集約された結果だけを見ると、そういう印象を受ける。
尾仲にとって、日本を歩くことは、いわばメシのタネであるが、どうしてもこの土地でなくてはならないという、切羽つまった思い込みはないのかもしれない。
そういうことでは、このような写真は撮れない。ごく気楽に旅に出て、気に入った風景を切り取ってこれれば、それは、最高の一日なのである。
尾仲の写真には、すべて既視感があるのは、彼の作為にみごとハマったことになるのだが、それはそれでいいわけで、見た方もいい気になって、写真家の追体験ができれば、いい一日だったということができるという、いたってシンプルな構造なのである。
- 判型
- 226 x 200 mm
- 頁数
- 97頁、掲載作品96点
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2007
- 言語
- 英語、日本語