理想の猫じゃない

理想の猫じゃない

インベカヲリ

出版社:赤々舎

インベカヲリ★と62人の女性によるポートレートとことば。

大きな話題を集めた前作『やっぱ月帰るわ、私。』から4年、インベカヲリ★はHPに応募してくる女性たちとポートレートの撮影を続けた。
人と人、人と社会の関わりのなかで生じる揺れや問いや矛盾を抱いて、女性たちはインベの前に現れる。
たとえマイナス面であってもそれを表現したいと願うそれぞれの女性の姿が、話し合いを重ねて生み出されたイメージとなり、写真の中に、そして言葉の中に立ち現れる。
それは、被写体と写真家という位置付けを超えた創造であり、ドキュメントと虚構を新たな方法で重ね合わせるものだ。怒りや哀しみや問いがバネになって生まれるユーモアや大胆さ、矜持。
今回は初めて女性たちの話し言葉によるテキストも収載した。写真、作品タイトル、テキストが織り成す、フィクションとノンフィクションのせめぎあい。時代に刻まれた鮮やかな肖像。

「日々、情報を浴びる生活の中で、自分が本当に考えていることを探し出すのは至難のわざだ。うっかりすると、どこかで聞いたことがあ る台詞を自分で考えたことのように話してしまう。逆に、簡単には言 葉にできないほどの感情は、凄まじいリアリティをもって心に響く。 それは、私が女性たちから話を聞いていて感じることだ。向かい合って対話を続けているうち、独特な表現や価値観がふいに飛び出し、個 人の存在が生々しく浮かび上がってくる瞬間というのがある。一人ひとりは、こんなにも多様なのかと感動する瞬間がある。だから人間は面白く、写真の中で存在感を放つのだと思う。」(あとがきより)

― 出版社説明文より

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