shashasha 写々者

多くの人にとって、路地裏は暗くて雑然とした場所であり、魅力も刺激もないかもしれない。しかし、ドイツ人写真家・マイケル・ウルフ（1954年〜2019年）は、香港の路地裏で起こる出来事に魅了され、インスピレーションを受け続けていた。本書は、2016年に刊行され売り切れとなっていた『Informal Solutions』の新装版となり、13年間の探求を通して彼が発見したことを記録したものである。

マイケル・ウルフは本書の中で、香港の路地裏の文化や生活の様々な表情を紹介し、最も想像力豊かで意外な方法で空間が活用されていることを伝えている。彼の鋭い観察眼によって、写真に写し出されたオブジェは、質素な実用品から壮大な都市型インスタレーションアート作品へと変貌を遂げているように見えるのである。