物物
画家・猪熊弦一郎が集めた「物」をスタイリスト・岡尾美代子が選んで、写真家・ホンマタカシが撮りました。
画家・猪熊弦一郎(1902-93年)は、著書『画家のおもちゃ箱』(文化出版局84年発行)でも知られるとおり、自分の嗜好に触れるものをいつも身近に置いて、暮らしや仕事の糧としていました。高価なアンティークも生活雑貨も、道で拾った小さな欠片でさえも、猪熊にとっては区別なくその一つ一つが「良き友」であり「恋人」であったのです。現在、これらの膨大な数の収集品は丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に収蔵されています。
今回、新たにこれらのコレクションのなかから、スタイリスト・岡尾美代子が100点余りを丁寧に選び抜き、写真家・ホンマタカシが一つ一つ撮影しました。見開きに、写真一点と撮影時に交わされたホンマと岡尾の会話を収録しています。また、巻末には小説家・堀江敏幸のエッセイを収録し、デザインと編集はアートディレクター・菊地敦己が担当しました。本書『物物』は、それぞれの視点によって瑞々しい魅力を発見された「もの」たちを、じっくりと味わえる一冊となっています。
猪熊 弦一郎
1902年香川県高松市生まれ。東京美術学校で藤島武二に師事。東京、パリ、ニューヨーク、ハワイと拠点を移しながら、女性像や猫などを描いた具象画から色鮮やかな抽象画まで、様々な作品を残した。三越の包装紙デザインやJR上野駅の大壁画でも知られる。1991年郷里に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が開館した。1993年逝去、90歳。
― 出版社説明文より
- 判型
- 210 × 148 mm
- 頁数
- 224頁
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2025
- 言語
- 日本語
- ISBN
- 978-4-902519-06-8